「ソニーの本業は何か」――こう問われれば、10人中10人が、「エレクトロニクス」と答えるに違いない。トランジスタラジオやトリニトロンテレビ、ウォークマンなどを世に送り出し、戦後日本の復興とともに神話企業となったソニーなのだから、それも当然だろう。ところが、平井一夫社長は、「エンターテインメント」もソニーの本業と言う。1968年に音楽産業に進出、89年にはコロンビア映画を買収し、世界でも例のない、エレキとエンタの両部門を持つ会社となった。そしていま、エンタはソニーの本業に昇格した。ソニーの新しい時代が始まった。
(本誌・関鎮夫 撮影・横溝敦)