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「月刊BOSS」と、日本最大のビジネスマッチングポータルサイト「WizBiz」との提携に伴い、 19万社を超えるWizBiz会員の中から伸び盛りの企業を毎月1社をピックアップ。トップの事業への情熱に迫る。

2016年10月号より

【BOSS×WizBiz】“頑張る人が報われる”感性に特化したマーケティングビジネス
リトルクラウド社長 神原太郎

神原太郎 リトルクラウド社長

かんばら・たろう 1990年東京都生まれ。2011年人材系ベンチャーに営業のインターンとして入社。学生同士で起案し、企業と共働で不動産系WEBサービスの立ち上げに参画。13年リトルクラウドを設立。

組織づくりのために起業

―― 22歳で起業ということですが、どのような経緯があったのですか。
20歳まではバンド活動をしていて、サラリーマンにはなりたくないと考えていました。「サラリーマンなんてクソだ」と話すと、父親が「お前、中二病なのか?」と(笑)。一度も経験しないうちに言うべきではないと人材系のベンチャー企業でインターンを始めました。企業の経営者の方々に触れるなかで「人」「組織」の重要性を説かれ、仕事はおもしろい、人組織っておもしろいと思ったのです。

就職活動も、組織づくりがしたいという思いが強く、一緒に組織をつくっていくならどこかという観点だけで企業を見ていまして、20社ほどインターンとして企業を回るなかで、事業とビジョンがリンクしていなかったり、自分の理想に合う組織は見つかりませんでした。言行一致で社員を大事にし、そのための追求をつづけている組織がないのが現実でした。

内定もいただいていたのですが断り、就職活動もやめました。当時は不動産系のポータルサイトを企業に提案して共働していたのですが、このサービスも私は理想を追うためにやっていたのに、企業は利益のほうに寄り、理念と利益で相反してしまいました。結局、自分が望む組織がないのであれば、自分でつくるしかないと決め22歳で立ち上げました。

―― 理想の組織とは?
リトルクラウドの理念は「頑張っている人たちが報われる社会を創る」です。誠心誠意、自分の仕事やお客さん、自分の人生と向き合っている人たちに幸せになってほしいという意味です。

不動産業界の仕事をしていた時、この業界はグレーな部分もありますから、あまりよいイメージは持てませんでした。ところが業界の交流会に参加してみると、目をキラキラさせながら、不動産業界をこうしたいとか、お客様のためにとか、自分の意志や誇りのために仕事をする人がいることがわかりました。不動産業界にも誠心誠意やっている人がいるという驚きと、こういう人たちが幸せになる社会の必要性を感じましたね。

―― 理想の組織をつくるための起業だったわけですが、ビジネスモデル等のこだわりはなかったのですか。
理想を実現するためにどうするか、であって儲かるからという発想ではない。誠実に自分の人生と向き合うことが理想の社会の実現に繋がると思うので、私は感性の領域の仕事しかしませんという話をしています。

現在のビジネスはマーケティング領域ですが、感性マーケティングやコミュニケーションデザインという言葉を使っています。フェイスブック広告とかラインアットといった新しいツールを使った戦略を提供するのが基幹事業になっています。

よく「フェイスブック広告の代理店でしょ」と言われますが、私自身はそこに興味がない。感性的な価値を表現する時に、いまのツールであればフェイスブックのような広告が最適というだけです。企業のマーケティング戦略はコミュニケーション戦略になっているので、最新ツールを使ってそれを作るのが弊社のビジネスです。小資本で最初から感性に訴える仕組みを社会に提供するのは無理ですから、伝えることから積み上げて、次のステップに進むことを目指しています。

チャットのコールセンター

―― 感性マーケティングというのは独特な発想ですね。
いままでは一方的なメッセージでよかったのですが、双方向でやりとりをしなければ、1度の接点で買う時代ではなくなっています。コンセプトに共感するなど、モノではなくコトを買う時代になっています。ですから接触していく時間が大事で、コミュニケーション戦略をとっているのです。

弊社が最近、力を入れて始めたのが「おもてなしチャットセンター」です。簡単に言えばチャットのコールセンターです。コールセンターの市場は8700億円くらいあると言われていますが、ここからチャットのほうに流れてくるのではないかと思っています。

従来のウェブマーケティングでは、メールアドレスと電話番号と名前をエントリーフォームに書いてもらうというものでしたが、現実はメールは見ない、電話も知らない番号のものは出ないという状況になっています。最近はラインなら見ますという人が増えている。だったらラインアット上でコミュニケーションをとる仕組みにする戦略を組む提案をしています。ウェブの担当者すらままならない日本企業がチャットの担当者は置かないですから、この領域でカスタマーサポートをやっていく。

―― 電話だと繋がらない等のクレームも出ますが、ラインのチャットを使ったコールセンターの利点は何ですか。
電話だと、クレームを言いたいのに繋がらず、さらに怒りが増幅することが起こり得ますけど、ラインであれば、常識の範囲内で返信があれば怒りません。ラインは一瞬で返すものではありませんし、毎秒送るものでもありません。1対1ではなく、1人で10~20人の対応をすることも可能ですから、少ない人員から始めて費用対効果も高くなります。

あとはテキストコミュニケーションのなかで、どう相手にホスピタリティを伝えられるか。企業のキャラクターを設定して親密度も高め、どういうストーリーで誘導していくのかというところまで設定する。チャットはAIにいきがちですが、人間が対応するからこそ伝わるものがあると思います。そしてこれは言語を変えれば海外でも進出できるビジネスですから、この分野はしっかり取りに行こうと考えています。

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WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

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