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2015年7月号より

北山喜一 アクア・プラン社長に聞く 節水コマが実現する水道料金の大幅カット
北山喜一 アクア・プラン社長に聞く

北山喜一 アクア・プラン社長

きたやま・きいち 1966年富山県生まれ。高校卒業後不二越に入社。95年に富山県内に節水コマ「アクアクルー」の販売代理店を設立。99年に大阪でアクア・プランを設立。その後アクアクルーの製造権を獲得、総販売元となる。

富山の薬売りがヒント

―― アクア・プランは節水業界のリーディングカンパニーだそうですね。蛇口の中などに組み込む節水コマをこれまで7000社以上に納入された実績があるとか。節水コマを使うと、どれだけ水を節約できるのですか。
北山 私たちは「アクアクルー」という節水器を販売していますが、平均すると10%以上の節水効果があり、中には20%以上節約できたところもあります。飲食店やホテル、病院など、水を大量に使う施設では、それによるコスト削減効果はとても大きい。

たとえば、400床の公立病院のすべての蛇口にアクアクルーを設置したところ、年間で680万円ほど、水道代が節約できました。全国に約60店を擁するうどん・そばチェーンでは、400万円のコストダウンにつながりました。ですから、当社のシステムを導入しても、そのコストは半年から2年で回収することができます。

また節水効果だけでなく、お湯の量も減らすことができますから、CO2削減にも効果があります。

―― どういう経緯でこの会社を立ち上げたのですか。
北山 私は富山県の出身で、高校卒業後、地元の不二越に入社、営業マンとして10年ほど働きました。静岡県に配属され、営業成績はかなりよかった。ところが給料の手取りは20万円以下。すでに子供もいましたから、将来を考えたらこれでいいのか、いっそ故郷に帰ろうかと思って、付き合いのあった会社の社長に相談したところ、「だったらわが社の代理店となって富山で売らないか」と言われたのです。それがアクアクルーでした。そこで10年以上勤めた不二越を辞め、富山で先輩と一緒に会社を立ち上げ、アクアクルーの販売を開始しました。これが1995年のことです。

―― 船出は順調でしたか。
北山 最初の数カ月はまったく売れませんでした。この時は苦しかった。血の小便を流したほどです。

というのも、富山県というのは東京と比べても水道代が非常に安い。ですからコスト削減効果も小さい。そして何より、当時はまだ節水コマが認知されておらず、使っている企業も周囲にない。そうしたところで企画書を持って営業に回っても、なかなか話を聞いてもらえませんでした。

―― どうやって販路を拡大していったのですか。
北山 ヒントになったのが富山の配置薬です。無料で置かせてもらって、使ったぶんだけお金をもらう。それと同じように、まずは無料でアクアクルーを設置してもらう。それで水道代が安くなったら、契約してもらう。この販売方法に切り替えたのが転換点でした。その結果、徐々に導入件数が増えていき、その後、北陸ジャスコ(現イオン)に納入できたことをきっかけに流通業を中心に一気に導入が増えました。これ以降、経営は軌道に乗りました。

―― 現在の本社所在地は大阪ですね。
北山 富山で3年ほどやった段階で、市場として富山には限界があることもわかってきました。そこで再び製造メーカーの社長に相談したところ、「大阪を開拓してほしい」と言う。そこで99年に富山の会社は先輩に任せて、私独自で大阪にアクア・プランを設立して現在に至ります。また、10年少し前には、製造メーカーの社長が体調を崩したこともあり、当社で製造するようになりました。ですから最初は代理店でしたが、いまでは当社はアクアクルーの製造・総販売元となっています。

損保と組みコスト削減保証

―― 節水コマはアクアクルーの専売特許ではありません。競合も多い。その中でリーディングカンパニーとなるには、何か差別化戦略があったのですか。
北山 当社が売り上げを伸ばしていったのには、いくつかきっかけとなる出来事がありました。まずリース販売を導入したこと。6年リースの場合、1つの蛇口につき月250円ですから、20の蛇口があったとしても月5000円です。それでいて、月1万~1万5000円の水道料金が削減できますから、その効果もわかりやすいし、導入のハードルも低くなります。

もう1つが節水効果保証を付けたことです。損害保険会社と組むことで、節水効果が表れなかった場足、全額返金保証します。これにより、成約率は格段に上がりましたし、上場企業からの受注が格段に増えました。そしてもう1つ、全国の会計士・税理士1万人以上が加入するTKCと提携したことで、そこを通じて顧客企業77万社に対しアプロチすることが可能になりました。

このような販売のためのインフラが整備されたこともありますが、その前提には、当社の商品とサービスが優れていることが挙げられます。

アクアクルーは流速・消音・整流の3つの条件をクリアする究極の形をしています。しかも単純な形状だからメンテナスフリーです。

また導入にあたっては、現場に出向いて水圧・吐出量の調査などを行い、蛇口ごとに100アイテムの中から最適のアクアクルーを設置します。これによって、節水効果が高く、なおかつ使用感が従来と変わらないシステムを提供できるのです。

―― 今後の目標を教えてください。
北山 いま当社の売り上げの大半をアクアクルーが占めていますが、いつまでもこの商品ひとつにオンブに抱っこでいるつもりはありません。

いま当社は、水道コスト削減と環境保護を前面に出していますが、それによって得た7100社のクライアントをターゲットに今後は電気料金やガス料金などの削減を、外部とアライアンスを組むことで実現していきたいと考えています。

そのために、販売チャネルの拡充を急ぎます。現在、当社には、25の代理店があります。今後はさらに代理店を拡充し、47都道府県のすべてに拠点を置こうと考えています。これを2年以内に実現する。

水だけでなく、あらゆる分野においてエコの提案ができる、そんな企業を目指しています。

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WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

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