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経営者インタビュー

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2017年9月号より

【BOSS×WizBiz】生損一体とオリジナルで新たなニーズを掘り起こす 中里克己 東京海上日動あんしん生命社長
中里克己 東京海上日動あんしん生命社長

中里克己 東京海上日動あんしん生命社長

なかざと・かつみ 1963年、埼玉県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、85年東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。95年専業営業開発部代理店企画グループ副参事。2000年営業企画部企画グループ担当課長。06年大阪中央支店次長兼なんば支社長。12年東東京支店長。15年東京海上日動あんしん生命執行役員兼営業企画部長、16年常務取締役を経て、17年4月より現職。生命保険業界のなかで損保系生保は第3分野の保険に強みを持つ。なかでも東京海上日動あんしん生命は、常に「業界初」のユニークな商品を発売する一方、損保系のなかでも生保・損保の一体化を進めている。今年4月社長に就任した中里克己氏に、これからの舵取りについて聞く。

変えること、変えないこと

── 社長就任のお話はいつごろあったのですか。
正式には2月の頭になってからですが、内々に昨年末に前社長の広瀬(伸一)から、「そういうこともあるから覚悟を持って仕事をやるように」と言われました。最初はひるみましたが、広瀬の社長任期の2年間、私は営業企画と人事担当役員として広瀬のもとで仕事をしてきて、この仕事に社会的使命を強く感じ、あんしん生命という会社、パートナーである代理店さんのために、少しでもお役に立てるようできる限りの貢献をしていきたいと思って取り組んでいます。

── 社長就任にあたっての抱負をお聞かせください。
最初に広瀬からも言われたことですが、社長交代にはタイミングに意味があると思います。昨年は社内的には20周年を迎え、社外的にはマイナス金利によって、低金利という生保業界にとって厳しい1年になりました。こうした社内外の環境変化のなかで、会社も進化させていかなくてはならないと思っています。そうした点で私なりにこの交代のタイミングの意味をかみしめています。

「生損一体が強み」と話す中里社長。

それを踏まえたうえで、20周年を迎え安定的な成長の基盤というのは整っていると思っていますが、次の一歩をどうするか。内部的には2017年度は中期経営計画の最終年度に当たり、次の中期計画を考えて打ち出していくというタイミングにあたります。

外部的には、会社を取り巻く情勢を見ると、経済動向の不確実性が高まり、業界の競争は激しくなっています。また、AIやIoTによる医療技術、テクノロジーの進化に合わせて、われわれも変化していかなくてはなりません。今回、社長も変わりましたが、実は役員も大きく変わっていて、そうした新しい経営環境に合わせた成長戦略を整え、進めていきたいと思っています。

── まずは何から取り組もうと考えていますか。
ベースにあるのはビジョンの共有です。つまり、何のためにわれわれは仕事をしているのか、仕事の目的は何かということを共有化することだと思っています。

社長就任にあたって社員に出したメッセージでのキーポイントは、変化に強い体質、変革し続ける覚悟が重要であるということ。そして、「これから変えていくことと、変えていかないことがある」と伝えました。

なかでも変えないということが大事だと思っています。

具体的には創業の精神のお客さま本位に革新的で効率的な生保事業を目指すことが1つ。もう1つは造語ですが、使命感、職業意識を高く仕事に取り組んでいくという意味で社内で使っている言葉に「保険人」というのがあって、これは普遍的なもので絶対に変えないもので、この2つを守りながらお客さまニーズ、社会と経済の大きな変化をとらえた革新的な商品やサービスを開発、業務プロセスの改革を進めていきたいと思っています。

新しいことへのチャレンジ

── 少子高齢化で保険業界は厳しいといわれますが、どのように受け止めていますか。
少子高齢化によって人口動態が変わり、契約対象者数が減るのは生保業界にとってマイナスになります。その一方でお客さまニーズが変化していくという点では、われわれは第3分野の保険にいち早くかじを切って取り組んできたという自負もあり、われわれのような新しい生命保険会社にとってはチャンスがあるということで、前向きにとらえています。

実際、前の中期計画では13年1月に発売した「メディカルKitR」という商品は、使わなかった保険料が戻ってくるという業界で初めての商品でした。

今の中期計画では、15年に発売した「メディカルKitNEO」という医療保険は、生活習慣病での保障はもちろん、5大疾病で働けなくなったときの保障を付けた商品です。さらに昨年は病気やケガによって働けない日々を守る「家計保障定期保険NEO」という商品を発売しています。この家計保障定期保険NEOは、前年度の2~3倍伸びており、今もそのペースは落ちておらず、お客さまからの高い評価をいただいていると思っています。

── 就業不能に対する保険は各社が出しており、競争の激しい分野ですね。
われわれは12年から「生存保障革命」という、従来の医療保険や死亡保険ではカバーしきれなかった保障の空白領域にしっかりとした保障を提供する取り組みを進めています。家計保障定期保険NEOもその一環として開発した商品になります。われわれとしては就業不能保険の分野は、先駆けていろいろ取り組んで来た分野です。そうした意味でも新しい商品にチャレンジし、マーケットを創造していくという気概を持ってこのリーダーシップをどこまで発揮し続けられるかというのが課題だと思っています。

他社に先駆けたという点では、「職場復帰支援サービス」という付帯サービスを10月からスタートすることにしています。これは就業不能になって、職場復帰する際にはどなたも、どういうタイミングで復職したらよいか、前のように働けるのかというようなところで悩まれます。そうした職場復帰にあたっての不安やキャリアについてのご相談を専門家がサポートするサービスです。

── 生保と損保を一体で保障する「超保険」も大きな特徴です。
生保・損保を一体としてコンサルをしながらお客さまを一生涯にわたってムダのないように保障していくというのが「超保険」です。

お客さまにとっては生命保険も損害保険も同じ保険で、これは販売する代理店さんも同様です。医療保険や家計保障定期保険に火災保険、自動車保険を合わせたご提案をさせていただくシンボリックなものが超保険という風にお考えいただけたらと思います。

2つのニーズに応える商品

── 今後の商品展開としてはどのようなものを考えていますか。
お客さまのニーズに合わせた商品は、2つの分野があると思います。

1つが健康増進の分野です。常に若々しくありたいという思いと同時に、健康に長生きする、いわゆる健康寿命を維持していくことはこれからの大事なポイントです。そして、もう1つが長寿になったことから生じる老後の生活を維持するための資産形成のニーズの高まりです。そこでこの2つのニーズに対応する2つの保険商品を、8月に販売開始する予定です。

その1つめが「あるく保険」です。この保険はご加入いただいたお客さまにウェアラブル端末をお貸しして、スマートフォン専用アプリを使って、2年間の支払対象期間中の1日あたりの平均歩数目標8000歩が達成されたかどうかを判定。支払対象期間満了時に達成状況に応じて、保険料のキャッシュバック(健康増進還付金)をするというものです。まさに保険が未病、予防の分野に一歩踏み込んだものです。今後もバイタルデータの計測技術も進むでしょうから、こうしたビッグデータを活用した新しい分野に進化させられればと思っています。

もう1つの資産形成のニーズへの対応が変額保険の「マーケットリンク」という商品です。この商品は万一のときの保障をしっかり確保しながら、長期にわたってお支払いいただく保険料の一部を積立金として投資信託などで運用し、資産形成を行っていくものです。国内外の株式・債券等を中心に、複数ご用意する投資対象から投資先を自由に選択し、組み合わせていただくことが可能で、途中で投資先を変更したり、これまで運用してきた積立金を他の投資先に変更することもできます。ただ、運用実績によって満期保険金がプラスにも、マイナスにもなることがあります。とはいえ、ドルコスト平均法により、投資リスクを軽減できる保険だと思っています。

そのほかにも商品戦略としてはいろいろなメニューがありますが、安易な価格競争とは一線を画して独自性の高い商品を開発するということで、あんしん生命らしさを出していきたいと考えています。

商品開発面では、東京海上日動とあんしん生命の商品開発部門が同居し、一緒に検討するようになっています。例えば、介護の分野で個人で手当するのか、企業で手当するのか、両者でカバーするのかなど商品開発については一緒に研究開発をしようとしています。

進む生損一体

── 現在の販売チャネルはどのようになっているのでしょうか。
損保系生保ということから全体のウエイトとしては、もともと損保代理店としてスタートした代理店さんのウエイトが高くこのチャネルが半分を占めており、ここがわれわれの強みになっています。次いで生保代理店からスタートしたライフプロという代理店さんで、ここには来店型代理店も含まれます。こうした代理店チャネルのほか、ライフパートナー(LP)という直販チャネル、銀行窓販などがあります。

販売面の特徴としてはチャネルミックスと言っていますが、それぞれの形態の代理店の専門性を生かしています。例えば、損保中心の代理店さんに生保の専門性を持ったLPがコラボして、生保の提案を一緒にやるというのが象徴的ですが、そうした取り組みを全国で行っています。

── 販売面では保険業法が改正になりましたが、何か影響は出ていますか。
影響はなくはありません。しかし、われわれはもともとが代理店チャンネルを主体にしていたので、代理店支援というスタンスは今まで通りです。募集人の育成強化は代理店チャネルの要ですから、そこをいかにサポートしていくかという取り組みはこれからも変わりはありません。

その1つとして、損保の代理店支援社員に対して生保、あんしん生命のノウハウを研修するというような仕組みもでき上がっているので、損保の社員が損保代理店に対して生保の働きかけをしています。こうした生損一体の支援ができるのも、われわれの強みではないでしょうか。

―― 今後の目標についてお聞かせください。
2つありますが、1つは今年は中期計画の最終年度ということで17年度はしっかり仕上げるということです。昨年はマイナス金利の影響もあって貯蓄性の商品の一部で販売休止したものがあります。そのため中期経営計画の単年度で見ると若干厳しいところもありますが、保障性分野が堅調に伸びているので、しっかりと仕上げたいと思っています。最終的には概ねオンペースで行けると思っています。

2つめは次期中期経営計画をしっかりとまとめるということです。現在、数字についてはシミュレーション中なので、具体的な数値目標はお話しできませんが、研究開発も含めた、新しい領域にチャレンジしたいと思っています。そこでまずは、先ほどお話しした17年度に発売する医療分野である「あるく保険」、資産形成分野の「マーケットリンク」を次期中期計画に向けて販売を開始して、次期中期経営計画期間中に、さらなる次の一手を打ち出していきたいと思っています。引き続き、革新的な商品・サービスの提供を通じて、1人でも多くのお客さまにあんしんをお届けできるようさまざまな取り組みに挑戦してまいります。

(聞き手=編集局長・小川純)

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