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2018年8月号より

経営者に直撃!! トップインタビュー|月刊BOSSxWizBiz
仮想通貨で反撃開始 「第2の創業」の青写真 松本 大 マネックスグループ社長
松本 大 マネックスグループ社長

松本 大 マネックスグループ社長

まつもと・おおき 1963年生まれ。東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズやゴールドマン・サックスに勤務。99年にマネックス証券を設立、社長に就任。2004年に持ち株会社であるマネックスグループを立ち上げ、社長に就任。15年に証券の社長はいったん離れたが、17年に復帰、マネックスグループの会長兼社長と兼務している。

コインチェックのグループ入りについて語る松本氏。

2018年4月6日、仮想通貨交換業者のコインチェックが、マネックスグループ傘下に入ることが発表された。コインチェックが金融庁から経営管理体制の抜本的な見直しを迫られたことで、その後ろ盾としてマネックスGが名乗りをあげた形だ。マネックスG社長の松本大氏に、仮想通貨と将来展望について話を聞いた。

コインチェックが傘下に

―― 4月にコインチェックの買収が発表されました。昨年10月に「第2の創業」として、ブロックチェーン技術の活用を掲げていましたが、この買収で展開が変わってきたのではないですか。
まず、今回は「買収」という言葉は使わないようにしています。直近の決算説明会資料でも、すべて「グループ入り」と書いていて、子会社化とも書いていません。

半年以上前に「第2の創業」として、ブロックチェーンを自分たちのものにしていく、そのなかで仮想通貨交換業がブロックチェーン技術の集積地になっているので、それを自分たちでも作っていくと表明しました。その意味では、コインチェックはブロックチェーンや仮想通貨で我々のはるか先を行っている会社だったわけです。たまたま不幸な事故が起きて、特殊な事情が発生し、コインチェックは業務を運営していくうえでパートナーが必要になった。お互いに昔から知っていた仲ですし、私も3年以上前からコインチェックの口座を個人で持ってビットコインを買ったりしていましたので、縁があり、一緒にやっていこうとなったのが、私の理解ですし、彼らの理解でもあります。

その結果として、コインチェックには優秀なブロックチェーンエンジニアもいるし、コインチェックのUI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)、操作感、世界観はすばらしい。そのようなアプリケーションを実現してきたエンジニアもいるし、経営者、マネジメントチームもいる。そういう人たちと同じファミリーになりましたので、当社としてはワープして、仮想通貨に限らず、ブロックチェーン、デザイナー、エンジニア、若い感性を持ったマネジメントチームと一緒になれたのは、すごく大きなプラスだと思っています。

―― 「第2の創業」を打ち出した時とは状況が変わって、一気に進捗しました。
まだこれからですけれども、5歩くらい進んだという感じはします。まずは業登録を実現しなければいけないですね。また、コインチェックのなかに優秀なエンジニアがいるだけでなく、グループ内にコインチェックがあるマネックスグループという会社がおもしろいことができるんじゃないかと、ブロックチェーンのエンジニアやビジネスデベロップメント系の人材が話を聞きたいと来るわけです。エンジニアを含めた多様な人材をリクルートする力が上がったようにも見えますので、こちらも攻めていきたいと思います。

―― 証券会社の商品と仮想通貨はやはり異なるように思いますが、マネックスとしては仮想通貨を金融商品として考えていくわけですか。
最終的には、ですね。問題はいま、仮想通貨の売買にかかる税金は、総合所得課税です。その人の給与水準によっては税率が50%を超えてしまう。一方で、金融商品であれば損益通算もでき、かつ税率は20%。仮想通貨は他のものと損益通算もできないし、金融商品として考えるには、現時点では無理があると思います。

そう考えると、仮想通貨の取引をするのは、トレーダーとかスペキュレーター。儲かった時にどれだけ税金を払うか考えていない。次の日の二日酔いを考えながらお酒は飲まないですよね(笑)。とりあえず儲けようとしているわけです。

ところが、ポートフォリオを作るとなると、こっちの得やあっちの損があって、全部まとめて損益通算で税を払わなければ意味がない。ポートフォリオを組む投資家や裁定取引をするアービトラージャーは税がすごく気になるわけですから、仮想通貨には入ってきていません。

世界的に言えば、スイスやフランスやドイツなど、仮想通貨の売買を取り込もうと戦略的に税率をすごく低くしている国があるなかで、日本は総合課税のままです。日本も変わってくるかもしれませんが、当面はトレーダー向けで、金融商品とは別のものです。そのようなコインチェックのお客様に対し、同じようにボラティリティの高いものでレバレッジETFやFXがありますと。

あるいはアメリカの子会社のトレードステーションを経由すれば、シカゴで上場されているビットコインの先物も売買できます。これらはすべて金融商品で、損益通算もでき、税率は20%なわけです。コインチェックのお客様のなかには仮想通貨ですごい富を作った人もいるわけで、そのお金は分散ポートフォリオを作れば、価値を防衛できますと、案内もいずれしていけると思います。あるいはマネックス証券のお客様にもマネックスグループだから安心だと仮想通貨を売買する人が出てくるでしょう。

マネックス証券は引き続き、仮想通貨交換業の申請プロセスは止めないで動かしています。いずれは金融商品として扱えるようにしていかないと、裾野が限定的になってしまいます。できればマネックス証券で扱い、仮想通貨の値動きに連動するETFやCDFなら損益通算20%で売買することができる。いずれ同じになる日を臨んで、国に対しても問題提起していきたいと思いますし、いまの枠組みの中でも金融商品として扱えるような「仮想通貨風」の商品を企画して認められるようにしていきたいと思っています。

―― 現状では証券と仮想通貨売買の顧客層は被っていないと。
最大の違いは年齢だと思います。マネックス証券は170万人で35歳から上の世代が中心。コインチェックはミレニアルと呼ばれるティーンエイジャーから30歳過ぎまでが中心。コインチェックも170万人のお客様がいますので、足すと340万人がドラム缶のような年齢構成になります。別の会社ですので結合はできないのですが、グループとしての顧客基盤はとても強くなったと思っています。

グローバル化の加速

―― 海外も含めた、マネックスグループとしての展望はどう広がりましたか。
トレードステーションという大きな会社がアメリカにあり、中国、香港、オーストラリアでも展開しています。7年前にトレードステーションを買収したあと、金利もボラティリティも下がって赤字に転落したわけですが、構造改革を経て、収益基盤の多様化やリブランドで7年前と同じだけの利益水準に戻ってきました。こうしてしっかり黒字になって軌道に乗ってくると、コラボレーションもしやすくなります。

そこにコインチェックが加わり、仮想通貨はグローバルですので、アメリカの社員やお客様もすごく興味を持っています。コインチェックが日本に業登録をしたあとは、海外進出ももちろん考えたい。アメリカやアジアにも子会社、コインチェックから見れば兄弟会社があり、橋頭堡はあるので、世界展開はしやすい。マネックスグループとしてのグローバルビジョンを掲げてきましたが、コインチェックが入ったことで、さらに進みやすくなったと思います。

―― グループとして「第2の創業」をして、結果、どのような形になるのが理想ですか。
例えば新しい形の総合金融機関“的”なグループを作りたいと思っています。メガバンクは、個人向けに関しては、法定通貨銀行があり、国内証券会社があり、クレジットカード会社があり、その3つを重ねて総合金融機関を作っているわけです。それを我々は、コインチェックというクリプトアセットバンク(暗号資産の銀行)があり、マネックス証券やトレードステーション証券のようなグローバルなオンライン証券会社がある。それに加え、ブロックチェーンや仮想通貨を使って、決済、ペイメントのサービスを作っていきたいと考えていて、オンライン証券とクリプトアセットバンクを繋げることにより、新しい形の、グローバルな、オンラインの総合金融的グループを作る。

今後、中央銀行の仮想通貨、ナショナルデジタルキャッシュも発行されてきます。仮想通貨交換業の先にデジタルキャッシュ銀行みたいなのができてくるかもしれない。従来の総合金融機関よりもはるかに使いやすく、社員数も少なく、不動産も持たず、グローバルにオンラインで、実現していける可能性がある。それがマネックスグループの未来の1つだと思います。

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