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2017年12月号より

金融庁が登録事業者11社を発表 ビットコイン取引も活性化|月刊BOSSxWizBiz

2017年4月に施行された改正資金決済法。この改正で仮想通貨交換業者、いわゆる仮想通貨取引所を営むには金融庁の登録が必要になった。ところが4月以降、金融庁のホームページを見ても、いつまで経っても「登録事業者なし」がつづく。そんなに難航しているのか? と疑問を持った人も多いと思うが、実際、かなり厳しい審査になっていたようだ。

投資家保護の観点や資本金だけでなく、取引所のシステムや取引可能な仮想通貨の種類まで踏み込んだものになったらしい。9月29日にようやく登録事業者が11社発表されたが、取引所大手にもかかわらずコインチェックが登録に至らなかったのはサプライズだった。コインチェックは「取り扱い仮想通貨の数の多さ」を審査が長引いている要因として挙げている。一説には金融庁が取引を認めない仮想通貨があるとも言われているが、それだけ金融庁も慎重に進めているということだろう。今回は11社の登録が発表されたが、継続審議中となっている事業者は19社(10月2日現在)あり、今後も適宜発表されていくと思われる。

さて、9月29日に登録された仮想通貨交換業者は表の通り。登録番号関東財務局長第00001号を勝ち取ったのはFX事業者のマネーパートナーズ(以下マネパ)だった。しかしながら、マネパは仮想通貨取引所自体を運営するつもりがないらしく、ビットコインを決済手段とするビジネスを考えているそうだ。

これから仮想通貨取引をはじめようという人は、これらの登録業者が最初の入り口になるだろう。

仮想通貨取引所の口座開設は、昨年までならメールアドレス1つでアカウントの取得ができる業者が多かった。しかし改正資金決済法の施行から、本人確認が義務化されている。これは不正利用やマネーロンダリングの防止が狙いだ。とはいえ書類の提出はWEBで完結する場合がほとんどで、ハードルは高くない。取引所によって簡易書留のハガキが郵送されてきたり、確認番号の書類が送付されたりと異なるが、書類の到着で取引ができるようになる。

「おそらく金融当局の規制は徐々に厳しくなっていくと思います。結果的にそれで消費者保護になったり、安心して取引できる環境になるのであれば、業界としても万々歳ではないでしょうか」

こう語るのはビットコインアナリストの田代昌之氏。フィスコデジタルアセットグループの社長も務める。これから取引を始める人に対し、次のようなアドバイスを送る。

「取引所を選ぶ場合は、金融庁の登録業者なのかどうかを確認しましょう。金融庁のホームページで登録された企業を確認できますから、まずはそこから始めてください」

というのも、仮想通貨については詐欺事件が頻発したという背景がある。「将来有望なコイン」や「まだ公開されていないコイン」といった売り文句のもと、入金しても取引が成立しないなどの詐欺行為が存在している。仮想通貨の種類は世界で1100以上も存在しており、すべてを把握することは困難だ。登録された取引所で取引が可能な仮想通貨から始めるのが安全だ。

しかし、仮想通貨取引で懸念されているのは、その値動きの激しさ。1日に5~10%変動することは珍しくない。レバレッジ取引で油断をすれば預けた証拠金が1日で消えることもあり得る話だ。

「取引所によっては、数百円、数千円の安い金額でビットコインの取引ができますから、慣れるまでは少額から始めて値動きを見るというのもお薦めです。自分で咀嚼できる、消化できるレベルの損を考えて投資を始めればよいと思います。そこからレバレッジを何倍にするとか、どれくらい証拠金を積めば飛ばないとか、ロスカットルールはどうか、などバランスを考えるのが重要です」

そしてこれは取引所選びにも通じるのだが、その取引所の売買数に結果が左右される場合もある。売りたい・買いたいと思った時にすぐに売買が成立しない可能性もあるからだ。人が多く、活発に取引がされている取引所ほど、ストレスなく取引ができる可能性が高くなる。

仮想通貨の価格が右肩上がりになれば、当然投資がプラスになりやすくなる。ビットコインの将来性について、田代氏はこう語る。

「5年10年の長いスパンで見れば、今後も右肩上がりになっていくと思います。価格より時価総額を見てほしいのですが、いま仮想通貨全体の市場がトータルで約15兆円。年末から来年3月にかけて、シカゴ・オプション取引所(CBOE)でビットコインの先物がスタートする流れになっています。デリバティブの市場ができると商いの質が変わってきます。これからヘッジファンドや機関投資家が資金を入れてくる可能性があるので、お金が入る市場は右肩上がりになります。5年後10年後、決済分野やICOが広がっていくと仮定すれば、時価総額はさらに上がっていきます。

いま金の市場の時価総額は約800兆円。仮想通貨は実物資産がないのでそこまでにはならないとしても、100兆~200兆円規模は夢を見てもいい。いまの10倍です。もちろん仮想通貨内のシェアがどうなるかによりますが、ビットコインが10倍になっても問題ない。1ビットコインが400万~500万円になる。戯言と言えば戯言ですが、夢があるでしょう?」

はい。夢があっても投資は自己責任です。さあ、ビットコイン取引をはじめてみよう。

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