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特集記事|月刊BOSSxWizBiz

2017年5月号より

50代ビジネスマン 危ない病気との向き合い方|月刊BOSSxWizBiz

50歳で表れる体の変化

40歳を過ぎると、それまでのように体に無理が利かなくなったと感じることが増えてくる。階段で息切れしたり、疲労が抜けにくいといった生活のなかでの変化はもちろん、内臓の痛みや関節の痛みといった通院が必要な身体的な変化も表れてくる。それが50歳を過ぎればなおさらだ。

しかし、40~50代は、会社で言えば、責任あるポジションでもっとも働かなくてはならない世代だ。経営者をはじめ、役員、執行役員、部長といった役職を背負っている人が多い。いま自分が倒れたら会社に迷惑をかけると使命感を感じて仕事をしていることだろう。

加えて、子供が10~20代前半という、まだ手のかかる世代でもある。学費や家のローン等々、大黒柱として決して倒れることが許されない立場にあるため、わが身を犠牲にしても働くことを厭わない、無理が積み重なっている人も多いのではないだろうか。

だが、無理をしすぎて本当に倒れてしまっては本末転倒になる。社会復帰できればよいが、命にかかわってしまっては、仕事どころか子供の成長すら見られない。残された家族を誰が支えるのだ、という視点で、50歳前後から見た健康と疾患について考えてみたい。

厚生労働省が発表した「平成27年人口動態統計」によると、日本人の死亡原因の上位は第1位が「がん」、2位が「心疾患」、3位が「肺炎」、4位が「脳血管疾患」、5位が「老衰」だった。

これらの疾患は加齢的な要因とともに、生活習慣の要因も大きく、やりようによっては寿命、あるいは健康寿命を延ばすことも可能だ。仕事に追われて生活習慣に気を遣っていられないという真面目な仕事人もいるかと思うが、ここはあえて、倒れて急にいなくなるほうが不義理であるということを指摘したい。家族や職場に迷惑をかけないためにも、自分の健康に言い訳をつくるべきではない。まずは知識として、疾患について学んでみよう。

40~50代にかけて、身体にはどのような変化が起こっているのか、心臓血管外科が専門で、三井記念病院の院長を務める髙本眞一医師に話を聞いた。

大きな変化は血管に表れる

体の変化について語る三井記念病院の髙本眞一院長。

── 40~50代というと、まだまだ働き盛りですが、加齢によって、どのような変化があるのでしょう。
だいたい30~40歳くらいまでは、まだまだ元気です。実際は、老化は30歳くらいから始まっているのですが、30代のうちは出てきていません。40代後半から50代に出てくるのが「動脈硬化」です。誰でも赤ちゃんの頃というのは、血管はすごく柔軟です。それが加齢とともに、悪玉コレステロールが血管に溜まったり、血圧が上がったりといった要因で、血管が細くなったり、硬くなったりといったことが起こります。動脈硬化によって血管も弱くなりますから、「大動脈解離」といった病気も出てきやすくなります。

── 動脈硬化がさまざまな疾患の原因になるということですか。
動脈硬化が進むと、心臓なら「狭心症」、「心筋梗塞」。脳なら「脳梗塞」といった疾患が起こってきます。そのベースとして「高血圧」がありますし、「動脈瘤」が出てくる可能性も高まります。こうした血管の病気をいかに防ぐかが、健康で長生きできるコツということになります。

── 50歳を前後して血管に変化が表れる理由はあるのですか。
実際は、30歳くらいから少しずつ変化しているんですよ。それが表に出始めるのが、50歳前後。いかに動脈硬化を防ぐかというのは、生活習慣によるところが大きいです。例えば食事だと、動物性の脂を食べると、悪玉コレステロールの値が高くなります。焼肉でもステーキでも脂のところは美味しいですよね。まったく食べるなとは言いませんが、できるだけ脂のところは食べ過ぎないようにしたほうがいいですね。

でも青い魚はいいですよ。トロなどの赤身は脂が多いですが、そんなにたくさんは食べないでしょう? お肉よりは魚のほうがいいですね。もちろん野菜もよく食べて、適当な運動をすることです。そうすると悪玉コレステロールが少なくなりますから、動脈硬化になりにくくなる。加齢による動脈硬化もありますが、その進行スピードを遅くすることになります。

── 仕事をしていると、付き合いで飲みに行くことも多くなると思いますが、お酒はどうでしょう。
お酒だけなら、それ自体が原因で動脈硬化になることはありません。しかしながら、飲みすぎると肝臓に影響しますし、脱水症状を起こしたりします。また、つまみで塩辛いものを食べたりするので、高血圧になる可能性も高くなります。飲みすぎないようにすることが大事です。

── 適度な運動も、平日はなかなか時間が取れないという人が多いようです。
体を動かすというのは非常に大事で、しなくなると血管だけでなく体自体も衰えます。それでも東京都内で働く人はまだマシです。通勤で歩きますし、駅の階段を上ったりしていますからね。地方の人はクルマで移動しますから、運動が本当に少ない。若いうちは感じませんが、年を取ってからのアクティビティに違いが出てきます。

厚生労働省「平成27年人口動態統計」より作成

── 残念ながら動脈硬化が進んでしまった場合、心疾患は髙本院長の専門ですが、どういったところから気をつければいいのでしょうか。
食事等に気をつけて狭心症や心筋梗塞にならないことが大事ですが、もし階段を上った時などに、ちょっと胸を締め付けられるような痛みを感じた場合は、病院に行って検査を受けてください。CTスキャンで冠動脈がきれいに見られるようになっていますから、だいたいの状況はわかります。

その際、気をつけてほしいのは、病院や医師によっては、すぐにステント(管腔内部から広げる医療機器)を入れようとすること。緊急性がある場合や、血管の狭窄が1~2カ所ならそれでもいいかもしれませんが、ステントは局所療法にすぎません。動脈硬化はそれ以外のところにも起きているわけで、別のところが狭くなったり詰まったりする可能性は高い。バイパス手術のほうがそのような場合でも長生きのためには有効です。

ステント手術は3日間、バイパス手術は2週間くらいの入院ですので、ステントを選びがちなのですが、ステントは毎年、検査や入院が必要になりますので、長い目で見ればバイパス手術のほうが入院日数自体は少なくなります。心臓も内科と外科で意見も変わりますから、セカンドオピニオンでいろいろな話を聞いたほうがいいと思いますね。

── 心臓ですから、医者に言われれば患者のほうもつい言われるままになりかねませんね。
近年はステントがバイパスの20倍くらい手術件数が多いです。狭窄率の低いものでも行われている。ちょっと全体的にステントをやり過ぎでしょうね。患者さんのためになっていないことも見られます。そういうことにならないためにも、心臓については動脈硬化を起こさないようにすることです。
40~50代だと、その後の人生が30年40年とあるわけですから、どんなに仕事が忙しくても、年に1回くらい休みを取って人間ドックを受けることをお勧めします。時々は心電図を取ったり、超音波の検査をしたほうがいい。心臓は具合が悪くなると、心肥大を起こすこともありますから、レントゲンを撮ってもわかります。ドックではそういう指導もしてくれますから、40歳を過ぎたら受けるようにしたほうがいいですね。

── 自分の体の状態を知っておくということですね。
そうですね。加えて、がんも早く見つければ治ります。遅ければ転移があって治らなくなる。抗がん剤も昔よりはよくなりましたけど、すべてが治るわけではありません。初期のうちに見つけて対処するのがいちばんです。

さらに付け加えるなら、ドックに行く時は奥さんも連れて行く。男性は会社の検診を強制的に受けさせられますが、専業主婦は検診を受けていません。ドックも圧倒的に男性が多いのが実情で、女性は少ないのです。女性は乳がんや子宮がんなど、40代から増える病気もあります。心臓と脳の病気、それからがんを防げれば、病気の3分の2くらいは防げる。年に1回、ぜひ休みを取って、奥さんと人間ドックに行く日をつくってください。

(聞き手=本誌編集長・児玉智浩)

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