2015年10月号より
見落としがちな病気のときの収入保障
病気やケガで働けなくなったとき、医療費の保障はもちろん、収入の減少もサポートするプランを提案するのは、第一生命首都圏営業本部コンサルティング営業室の森泉志穂さん。
特に、一時金を重視した「アシストセブン」と「アシストセブンプラス」がイチ押しだ。「アシストセブン」は3大疾病(所定のがん、急性心筋梗塞、脳卒中)、要介護2以上(または同社が定める要介護状態が180日間継続)、所定の身体障害状態、高度障害状態、死亡の7つのリスクに備えることができ、これらの事由の際、最高2900万円までの一時金を受け取れる。さらに「アシストセブンプラス」を付加すれば、前述の7つの状態に加えて、上皮内がんなどや、急性心筋梗塞、脳卒中で入院し、所定の状態で、一時金100万円の給付される。入院日数の短期化や日帰り入院が増加するなか、入院給付より一時金の保障をどれだけ増やせるかがこれからのポイントになってくるという。
現在、夫は54歳だが、死亡保障は定年に向かって徐々に不要となっていくので、逓減型定期保険で保険料を抑えている。「54歳ですと、60歳の定年時にもう一度見直しの時期が来ます。それまで何を重視するかを考えた設計です」と森泉さん。
50代ではまだ子どもの学費や住宅ローンもあれば、これをカバーする死亡保障は押さえておきたいところ。加えて、定年後の働き方によって、改めて見直す必要があるのだ。
ちなみに、現在加入中の保険の解約返戻金を活用し47万円を頭金として使い、月額4741円が軽減されるプランとなっている。
介護保険は年金型か一時金型か
今年8月、公的介護保険の自己負担額が所得に応じて、1割から2割に上がることが決まった。高齢化が進むなかで、公的介護の自己負担額は、いつ増えてもおかしくない。第一生命の介護年金保険〈クレストWay〉は要介護2以上で、年額60万円を一生涯サポート(払込免除特約付加)するもので、このケースの月額保険料は8265円。「男性は自分が介護されるイメージを描けない方が結構いらっしゃいますが、介護年金保険は終身なので、若いときから入ったほうが保険料は安くなります」(森泉さん)
とはいえ、年額60万円(月5万円)のサポートでは不安という場合には、一時金型の「アシストセブン」(要介護2以上)、「アシストセブンプラス」(要介護1以上)で保障を手厚くする方法もある。
一方、妻の保障は医療保険をメインに、3大疾病や介護などに備えて「アシストセブン」「アシストセブンプラス」をつければ万全だ。定期型にするのは「ご主人の定年のときにもう一度、老後の生活設計に合わせられます」と森泉さんは話す。また、森さんは、何にでも使える使い勝手のよさから年金型より一時金型をすすめる。
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医療保険の 定期型と終身型―迷ったときはどっちを選ぶ?
生命保険に加入する際に迷うのが、定期型にするか、終身型にするかという問題だ。
55歳の男性が日額1万円・手術給付などがついたオーソドックスな医療保険の定期型、終身型に加入した場合、それぞれの払込保険料がどこで逆転するかを試算してみた。
表にあるように80歳までに払い込んだ場合の保険料の総額は、定期型が242万8560円、終身型は222万4500円になる。厳密に両者が逆転するのは、この場合では77歳6ヵ月。別の医療保険で計算しても大きな差はなく、どんな医療保険でも平均寿命を超えて定期型が安いということはなかった。つまり、平均寿命より長く生きる自信のある方は、迷わず終身型を選んだほうがおトクになる。
しかし、ムダのない保険料、と考えるのであれば、75歳の後期高齢者になったところで、保障内容を落として終身型に切り替える方法もある。
この例では、日額1万円を5000円に保障内容を見直し、終身型に切り替えても保険料は7780円。最初から終身型のケースと逆転するのは、102歳になってからになる。