2015年10月号より
課題を見つけて的確な対策を立てる
三井生命商品開発部の山下貴久さんが、このモデルの課題として挙げたポイントが次の5つだ。
(1)預貯金が少ない場合、万が一の家族の生活費や学費を生命保険だけに頼らなければならない。
(2)更新が間近で、終身保障がない。
(3)医療保険の内容が劣化している。
(4)老後の生活資金が不足気味。
(5)相続税がかかる可能性がある。
また、いま夫が亡くなった場合、約3575万円の保障が必要になるという。そこで、山下さんがポイントとしたのが、更新間近の生命保険の見直しと老後の生活資金の検討だ。
まず、万が一の備えで、山下さんが提案するのが〈ずっとぴったりベクトルX〉。これは、積立保険を主契約とし、死亡保障や生前給付保障、医療保障などを特約として付加できる〈ベクトルX〉に、「収入保障保険特約」を付加したもの。
さらに「収入保障保険特約」で、65歳までの生活資金として月15万円を受け取れる設定にした。この結果、たとえば54歳ですぐに死亡した場合、15万円×12カ月×16年で、合計2880万円。また、〈ワイドディフェンス特約A〉で、死亡のほか、所定の3大疾病や特定の要介護状態などになったときに、200万円の一時金が給付される。
この2つの保険でトータル3080万円を受け取れ、万が一の場合必要とされる3575万円のある程度をカバーすることができる。
さらに、「これらの保障は、所定の高度障害状態で、保障期間が終身となり、一生涯年金をお支払いします。また、3大疾病で所定の状態になると、以後の保険料は免除になります」(山下さん)という。
老後の備えは安定の豪ドル保険
一方、入院では生活習慣病や、がんの入院で日数が無制限。がんは上皮内がんなども含まれる。
そして、老後の生活資金としてすすめるのが、豪ドル建ての終身保険〈ドリームクルーズ〉だ。「豪ドルの平準払いは、弊社ならではの保険です。豪州は経済が安定していて、極端なレートの変動も少ないと考えられます」と山下さん。最低保証予定利率2.5%が設定されていることも心強い。試算では前の死亡保障を合わせれば、おおよそ3575万円で必要保障額をほぼカバーできる。
この豪ドル終身保険は、15年目以降からの返戻率が100%を超え、退職金のプラスアルファになる。
最後に、妻の医療保険の保障内容も劣化気味のため、がんの再発や転移なども保障される同社の「がん治療サポート特約」などを付加した医療保険への見直しをすすめる。
今回見直した保険料の合計は、現在とほぼ同額。にもかかわらず、提案した2つの商品で、万が一の場合には家族を守り、そうでなければ夫婦の老後を守るという、広く長くカバーできる保険へとリバランスさせることができた。