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2015年9月号より

マツダとスバル ─ トヨタも羨む“独創力”|月刊BOSSxWizBiz

国内自動車メーカーの2015年3月期決算は、トヨタ、マツダ、富士重工、三菱自動車の4社が営業利益で過去最高の数字を叩き出し、円安の恩恵もあって、全体的には好決算が相次いだ。しかし、その多くは海外市場で稼ぎ出したもので、国内市場に目を向ければ、軽自動車の不振もあって、販売台数はどのメーカーも厳しい。

業務提携の調印を交わした小飼雅道・マツダ社長(右)と豊田章男・トヨタ社長。

今年1‐6月の上半期、国内市場の冷え込みは強まり、登録車の乗用車部門では前年比9.7%減の140万4193台に落ち込んだ。各社軒並み10%以上のマイナスを記録している。そんななか、前年比プラスを記録しているメーカーが2社ある。マツダ(31.2%増)とスバル(8.6%増)だ。

マツダは新開発のクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」を搭載した新型「デミオ」が販売を牽引、スバルも「レヴォーグ」が年次改良を行い、先進安全装備「アドバンスドセイフティパッケージ」で注目を集め、コンスタントに台数を稼いでいる。

しかし、エコカー全盛の現代にあって、多くのメーカーが燃費競争を繰り広げ、新型車の多くがハイブリッドカーやスモールカーに傾いている。時代も高騰する原油価格に不況が重なって家計は圧迫され、いかにガソリン代を抑えるかが競争されるようになった。いつしかクルマは、画一的に燃費メーターとにらめっこしながら走らざるを得ない、没個性の時代に突入していたといえる。

共同開発車のラインオフ式で握手をする豊田章男・トヨタ社長(右)と吉永泰之・富士重工社長。

そんななか、昔と変わらぬ“走りへのこだわり”を持ち続けてきたのがマツダとスバルだった。1980年代~90年代、各メーカーが走るワクワク感を追求してスポーティなクルマを競って出していた感覚を、両社だけは変わらずクルマづくりに反映させてきた。エコカーに慣れきった現代の一般ドライバーは、忘れかけていた走る楽しみ、喜びを、マツダ車とスバル車に見出した。コア層が支持する技術に、経済性や安全性が付加され、次第に一般層にまで拡大してきたのだ。

もう1つ、おもしろいことにこの両社はトヨタと業務提携している日本車メーカーでもある。エコカー技術をトヨタに頼りつつ、自社はオリジナリティあふれるクルマの開発に勤しむ。一方で、トヨタも両社のブランド化した個性に関心を持つ。いや、むしろトヨタの豊田章男社長が、自社にはない「愛されるクルマ」をつくるヒントを求めようとしているのかもしれない。

05年にトヨタと提携したスバルは、スポーツカー「トヨタ86」「スバルBRZ」を共同開発、12年に発売した。共同開発とはいえ、水平対向エンジンを搭載し、技術も生産もスバルのものだ。

豊田社長が「富士重工は単にトヨタの言うことを聞くだけの会社ではない。両社の開発現場は互いにぶつかり合いながら、新型車をつくった」と共同開発車のラインオフ式で語ったように、より良いクルマを作るためのパートナーとして存在感を認めている。

また、今年5月に結ばれたトヨタとマツダの包括提携は、メキシコでつくるマツダ「デミオ」をトヨタの「サイオンiA」として北米市場に販売するという項目があった。マツダのスカイアクティブ技術をトヨタが認め、そのまま販売するという異例のOEM供給だった。ここでも豊田社長はマツダのことを「私たちのめざす『もっといいクルマづくり』を実践されている会社」と絶賛している。

かつてはマツダもスバルも単独では生き残れないと思われていたメーカーだったが、個性と技術力で経営危機ともいえる苦境を乗り越えてきた。世界トップを争うトヨタすら羨むその独創力はどこから生まれ、磨かれてきたのか。そしてファンを拡大し、愛される魅力はどこにあるのか。次項から検証してみたい。

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