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2015年3月号より

常識破って先行する“堂々”の挑戦者 第一生命保険|月刊BOSSxWizBiz

日本経済の今後の成長で、大きな問題とされる高齢化と少子化。この2つ問題はどんな業界、業種にも多大な影響を与えているが、そのなかでも生命保険業界は、とりわけ影響が大きい業界の1つといえるだろう。

とくに2020年以降になると人口減少が一気に進むため、生保各社はその対応に迫られている。これに対して、1つの明確な答えを出して動いているのが、第一生命である。

人口が減り続けるなかで、海外に出るしか活路がないことは生保各社がともに持つ共通認識。しかし、その対応方法はまちまちだ。

財務的に余裕のある日本生命は、急激な路線変更は考えず、海外とりわけアジアへと進出。そのうえで緩やかに市場をつくりながら…といった姿勢でのぞむ。しかし、「万年2位」といわれた第一生命では渡邉光一郎社長が、一気の変革に大きく舵を切った。

同社が株式会社化したのは10年4月のこと。それから5年、毎年のように新たな施策を打ち出してきた。こうした同社の動きを見た各社は「株式会社は大変だ」、なかには「クルクル回る車のなかを走り回るハムスター」と評する生保関係者もいた。こうした業界の声をよそに渡邉氏は会社を引っ張った。

そんななか業界を驚かせたのは、昨年6月、米国の中堅保険グループであるプロテクティブ社を5822億円で買収したことだった。それまでも第一生命は、07年ベトナム、08年タイと豪州(11年完全子会社化)、09年インド、13年インドネシアと、海外進出は活発だった。

革命的な逆転

そして、14年4~9月の一般企業の売り上げにあたる保険料収入で第一生命は2兆5869億円、対する日本生命は2兆4682億円と、首位に立ったのである。しかも、15年からは、昨年買収した米国のプロテクティブ社のおよそ4000億円が上積みされるため、この状況は一時的なものとはいえない。

もちろん、内部留保など総資産はまだまだ日本生命に及ばず、本業のもうけを示す基礎利益についても、日本生命が多いことに変わりはない。しかし、日本生命は戦後一貫して首位にあり、その1つの指標だけでも逆転したことは、革命的な出来事といってよい。

とはいえ、この結果は渡邉氏自身、ある程度予測していたフシがある。というのも、これまで大手生保は、銀行や来店型ショップなどの窓口販売の必要性がわかっていながらも、セールスレディーをメーンにした営業販売チャネルにこだわってきた。しかし渡邉氏は、昨年完全子会社化した第一フロンティアに窓販のチャネルを移し、販売する商品も投資型の変額保険に特化させるなど、本体と分けて販売した。

その結果、窓販チャネルの販売が全体を押し上げ、日本生命を追い抜く原動力となったのである。そのうえで渡邉氏は「15年はもう1つある国内の子会社DIY生命に力を入れる」としている。一方、逆転された日本生命の筒井義信社長も新聞のインタビューで、「営業職員を基軸にしながら、多様化した販売チャネル融合を進めたい」としている。

損保業界は大手3社に集約されたが、生保業界はここ数年大きな動きはない。そんななか渡邉氏率いる第一生命は株式会社化を行い、海外では果敢なM&Aを展開。国内においても、これまでの生保の常識を打ち破る挑戦を続けてきた。

今から15年ほど前までは日本の大手生保は、世界でも「ザ・セイホ」といわれるほど注目された存在だった。しかし、欧米の生命保険会社が相互会社から株式会社に転換し、日本のセイホは地盤沈下、ガラパゴス化していった。そんななか渡邉氏は20年に保険料収入で世界の上場株式生保トップ5入りを目指すという目標を持つ。第一生命がそうした動きを活発化させるなかで、日本の生保業界もこのままということはなく、ドラスティックな業界再編が起きる可能性は否定できない。そして、そこで第一生命は台風の目になっているに違いない。

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