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特集記事|月刊BOSSxWizBiz

2015年3月号より

モノづくりにイノベーションを興すベンチャー企業 テラモーターズ|月刊BOSSxWizBiz

バイクと言えば、日本にはホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、カワサキといった、世界にもファンが多い二輪車メーカーがひしめき合っている。そんななか、いま最も注目を集めているバイクメーカーが、ベンチャー企業のテラモーターズだ。

2010年創業と、歴史の浅いこのベンチャー企業がなぜ注目を集めているのか。それはベンチャー特有の志やフットワークの軽さを持ちながら、日本の重厚長大産業の代名詞とも言うべき「モノづくり」を事業にしている点にある。

テラモーターズが開発・生産しているのはすべて電動の二輪車・三輪車。それらを主にアジア市場に向けて販売している。日本国内こそ新車市場は約30万台にすぎないが、アジアに目を向ければ中国、ベトナム、インドネシア、インドと巨大市場がならび、アジア圏での販売台数は年間5000万台にも及ぶ。現在は、まだガソリン車が主流だが、大気汚染が深刻な中国などは新車市場の半数が電動二輪車に置き換わりつつあり、今後はアジア市場全体に波及していくと考えられている。

電動バイクはガソリン車に比べて、構成される部品点数が約4分の1とシンプルな半面、バッテリーやモーターは高い技術力が要求される。中国はじめローカル企業製の電動バイクはその品質に課題を抱えており、多くの地元ユーザーが高品質な日本のガソリン車から離れらない事態になっているのだ。燃料費が安くすむ電動バイクに、日本製のクオリティが加わればどうなるか。この課題に挑戦しているのが、テラモーターズなのだ。

脚光を浴びるもう1つの理由は、社長の徳重徹氏の存在もある。住友海上火災保険を経て渡米、シリコンバレーで起業した経験を持ち、物怖じせず自信たっぷりに語る様は、久々に現れた肉食系起業家。その言動にも注目したい。

高級ホテルの予約で利益率は30%超 カギは外国人観光客 一休|月刊BOSSxWizBiz

東京五輪の開催が決まる前後から、投資家の間で注目が集まっていたのが、高級ホテル・旅館の予約サイトを運営する一休だ。

一休は、その高い営業利益率から優良銘柄として支持が高い企業。2015年3月期も中間決算までに営業収益が約32億3000万円、営業利益は約10億3000万円と、営業利益率は31.8%。ちなみにこの数字は、今期を「先行投資」の期と位置付けたうえでの数字。例年は40%近い利益率を残している。今期スタートした新規事業への投資が計上されていながら高い利益率を維持しているのだ。

その新規事業というのは、2014年4月に開設した優良会員向けの「一休プレミアサービス」と、10月に開始した海外の高級ホテル予約の「一休.com海外」の2つのサービス。特に海外事業は、一休の今後の事業拡大を占う意味でも大きな注目を集めそうだ。

20年東京五輪の前後に活性化しそうなのが、11年4月に開設した「一休日本自由行」という中国人旅行者に向けた情報発信サービス。日中関係が悪化しても、なぜか日本を訪れる中国人観光客は右肩上がりで増加中。14年は上半期だけで前年比88.2%増の100万9200人に達している。中国に限らず、五輪を見据えた外国人向けのサービスは日本の観光産業にとって必須項目。一休でもさらなる事業展開が予想される。

ちなみに一休社長の森正文氏(写真)は日本生命出身の起業家。IT企業特有の斬新さとスピードに加え、取締役会長に元日興コーディアル証券会長の金子昌資氏、取締役に前イー・アクセス会長の千本倖生氏を加えるなど、人脈や政治力といった面も重要視する。その意味では手堅さと安定感を備えた経営者なのだが、20年以降の成長へ向けて、どこまで野心的な投資を行うのか興味深い。

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WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

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