かつて「番外地」と呼ばれたテレビ局があった。「金なし、人なし、ネットワークなし」の三重苦を背負ったテレビ東京の別名である。50年前に「科学技術振興」を目的としたテレビ局として誕生した経緯もあり、最初の10年間は視聴率は低迷、毎年巨額の赤字を垂れ流し、常に“存亡の危機”にあった。そのテレビ東京が最近、やたらと元気がいい。他のテレビ局が、いずこも似たような番組づくりをしている中、「とんがった」番組づくりに惹かれる視聴者が増えているのだ。いまでも他局に比べれば人も金も十分とはいえない。だが、弱者には弱者の戦い方があることを、テレビ東京は身をもって証明している。