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「月刊BOSS」と、日本最大級のビジネスマッチングポータルサイト「WizBiz」との提携に伴い、 17万社を超えるWizBiz会員の中から伸び盛りの企業を毎月1社をピックアップ。トップの事業への情熱に迫る。

2017年4月号より

【BOSS×WizBiz】絵コンテ事業でトップ企業 スマホ、ネット広告代理店でIPOに向けてばく進中
原田弘良 アクア社長

原田 弘良 アクア社長

1963年、埼玉県生まれ。86年中央大学卒業後、テレビ局入社、文字放送などを担当。91年退職後、絵コンテ会社を経てアクア設立。2002年株式会社に組織変更。代表取締役就任、現在に至る。

1日に1度は目にする

── 基本的な事業内容はどういったものでしょうか。
簡単に言ってしまいますと、広告系の制作会社、デザイン会社ということになります。

事業の柱は4つです。1つ目は創業からの事業であるテレビCMの絵コンテ制作です。これは電通さん、博報堂さんといった広告代理店がテレビCMイメージなどクライアントに見せたり、コンペで使用する絵コンテを作るものです。

日本で年間に作られるテレビCMは約2万件ほどありますが、そのうちおよそ5000?6000案件を手がけています。みなさんが観ているテレビCMの3本に1本は当社が関わったものになります。

2つ目がイラストレーション事業です。具体的にはデパートの大きな壁一面の商品広告や駅の構内にある商品やテレビ番組などの大きなポスター、映画のポスター、また、電車の広告の中吊りや雑誌の表紙など、年間約2000案件ほど手がけています。こちらもシェアトップです。

3つ目は、WEBでのプロモーションコンテンツです。最近はWEB上で動画などをつかったプロモーションが増えています。こうしたプロモーションの動画などの制作がこの分野になります。

4つ目が、スマホゲームなどのキャラクターや背景のイラストです。サイバーエージェントさん、コロプラさんなどスマホゲームを展開している会社がありますが、こうした会社ではゲームの企画やそれを動かすエンジン部分のプログラムは自社で作っています。しかし、キャラクターや背景などのビジュアル面は、当社のような会社に任せることが多いんですね。餅は餅屋みたいなもので、実際、人気ゲームランキングのトップ10のうち半分ほどのゲームは当社がビジュアルを担当したもので、ゲームのビジュアルに関してもシェアトップです。

朝、テレビのスイッチを入れて番組とCMを見て会社へ出勤。駅でのポスターや電車の中吊り広告を目にし、街に出れば百貨店の壁一面のポスターを見て、スマホでゲームを楽しめばそのビジュアル。朝起きてから夜寝るまでの間、世の中の人が当社の作品に触れている――というのが当社の事業です。ただ、裏方ではありますが。

── こうした4つの事業のほか、新たに力を入れているものはありますか。
WEBプロモーションやスマホゲームといったデジタル系の分野が広がっていることもあり、やはりこの分野には力を入れていきたいと思っています。具体的には、サイバーエージェントさんとはゲーム分野でおつき合いがありますが、サイバーエージェントさんがやっておられるインターネット広告事業といった分野です。例えば、LINEのスタンプを使ったプロモーションなどで、今はスタンプのイラストの制作中心ですが、携わる部分を広げた広告代理店を5つ目の柱にしたいと思っています。

このほか本社の近くにショールームを開設したのですが、そこではデジタル映像の最新技術などを公開しており、常に新しい分野にも力を入れたいと思っています。

2019年にIPO

── 創業当初は、苦労されたということですが。
大学を卒業後、在京テレビキー局に入社したのですが、ひょんなことで知り合ったCMの絵コンテ会社の社長から誘われて、テレビ局を辞めてその会社に入りました。しかし、最初の話と大違い。今でいえば超ブラック企業で、勤務時間は朝10時から翌日の朝5時まで。社内にはカプセルホテルのユニットが十数個あって、男女を問わずそこで仮眠させるんです。結局5ヵ月でその会社を辞め、会社を立ち上げました。

絵コンテの仕事は、人脈もできていたし、内容もわかっていたので、営業面の心配はありませんでした。ただ絵を描いてくれるクリエーターがいなかったので、東京芸大や美大に行って声をかけて6人スカウトして始まったのがこの会社の始まりです。

とはいえ、設立直後はお金がありません。仕事はあるけどお金がないということで、黒字倒産しそうになりました。そのため知り合いの社長さんに喫茶店の店内で土下座をしてお金を借りたこともあります。

それから6年ほどは会社も順調だったのですが、会社の方向性で設立メンバーと意見が合わず、私以外みんなが会社を去ることになりました。これが「第二創業」となり、今の会社の土台になっています。

── 今後の事業展開はどのように考えていますか。
IPOについては、2019年春には実現しようと、さまざまな準備を進めています。今後の事業展開としてはやはり力を入れていきたいのがデジタル系部門ですね。LINEスタンプのお話はしましたが、当社の売り上げの半分を占めるビジュアル部門を強化しながら、ネット広告代理店的なところに力を入れていきたいですね。これからオリンピックもあるので、そうしたタイミングを利用しながら、今はさらにその先を描いている途中です。

私は恵まれた家庭ではなかったので子どものころから、また会社経営も常に崖っぷちに立たされていました。そのため絶対に後ろに下がらないというか、下がれない状態でした。そこで常に前に進むことしかしてきませんでした。これが当社の理念である「自らの人生を切り拓く」に通じたわけですが、仮にまっすぐ前に進めないのであれば、ちょっと横にそれて斜めでもよい。とにかく前に進むことが大切だと思っています。こうした思いをこれまで以上にもって進んできたいと思っています。

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