ビジネス誌「月刊BOSS」。記事やインタビューなど厳選してお届けします! 運営会社

トップインタビュー

「月刊BOSS」と、日本最大のビジネスマッチングポータルサイト「WizBiz」との提携に伴い、 19万社を超えるWizBiz会員の中から伸び盛りの企業を毎月1社をピックアップ。トップの事業への情熱に迫る。

2016年9月号より

【BOSS×WizBiz】営業と組織作り マネジメントを強みに 次々と新規ビジネスを展開
佐々木拓己 ユナイテッドウィル社長

佐々木拓己 ユナイテッドウィル社長

ささき・たくみ 1978年、青森県生まれ。99年にアルファグループに入社し、携帯電話などの営業をトップ営業マンとなり、営業部長、事業部長を務める。2007年4月複数の会社からヘッドハンティングを受けインターネット決済会社に転職。10年12月にユナイテッドウィルを設立。

IPOを経験し転職

―― 設立は2010年12月ですが、起業するまでの経緯をお聞かせください。
起業するまで2つの会社にいたのですが、1つめの会社は携帯電話の卸やオフィス用品の通販の代理店ビジネスの会社でした。この会社で営業をやっていて、ナンバー1営業マンだったんです。その後、事業部長のポジションにあるときにこの会社がIPOしました。IPOに際しては、ストックオプションもあったし、年齢の割にお給料もよかったのですが、そのタイミングでヘッドハンティングにあって、2つめの会社に移ることになりました。

―― IPOしたばかり、しっかりとしたポジションにいて会社を移ろうと思った理由はなんだったのですか。
将来、自分も起業したいという思いがあったんです。移った会社は10人ほどの小さな会社で、大手広告代理店の出身の、それもエリートコースにいた社長と、現場の社員との間にギャップがあった。その間に僕が入って組織を作ったり、営業の体制を整えてほしいということでした。

そうした経験は起業の際にプラスになる、30歳を前にしたタイミングで勝負をしたいという思いがありました。2つめの会社にいたのは3年ほどですが、辞めるときには100人規模の会社に成長していました。

―― いろいろなビジネス展開をされていますが、中心的な業務はどういったことですか。
独立直後に考えていたビジネスは、さまざまあるポイントカードを携帯やスマホで一元管理しようというようなシステムを作るというものでした。このシステム開発から、それに使う端末を店舗においてもらう営業を任せてもらいました。大手の会社とも契約がとれ始めた矢先の3月11日に東日本大震災が起こって、この事業が止まってしまった。そこで知り合いの社長などと話していると、ゲームやアプリ開発でのエンジニアやデザイナーの派遣の事業には需要があるということで、人材派遣事業へと事業転換を行いました。

―― これまでの売上規模はどのように推移してきたのですか。
当社は11月決算ですが、2015年度がおよそ6億円、16年度の見込みで8億?9億円。17年度は10億円以上いくと予想しています。デザイナーやエンジニアの派遣業務が売り上げ、利益ともに柱になっています。現在の派遣スタッフの登録数は200人ほどです。

学生と企業のマッチング

―― 「インターンナビ」という新規事業の展開が始まったということですが。
14年から当社でも新卒採用を始めました。採用に際しては、入社を考えている学生には必ず2?3日間インターンで業務を体験してもらっています。これは当社を理解してもらうのと同時に、こちらも学生の人となりを見たいということがあります。

現在、このビジネスの事業責任者は14年に入社した人間ですが、彼自身が自らの就活をしているときに、面接と企業説明、同時期の一括採用という、今の企業の採用に疑問を持っているというんですね。でも、それは学生側だけの視点で、企業側の視点もあるはずだから、それを知るためにうちに入社して人事採用の担当もやってみてはどうかと話したんです。そこから出てきた事業がこのインターンナビです。

―― 具体的にはどんなビジネスですか。
インターン制度のある企業の紹介をHPに掲載して、希望の学生には登録してもらい、その学生を紹介するものです。ただ紹介するのではなく、学生に対しては事前に面談を行ってその特性などを把握して、企業にご紹介しています。そのためやる気の学生であると同時に企業にとっては第三者的な目で学生を面接したうえでのご紹介になるので、企業にとってもプラスになるのではないかと思います。

―― どのような収益モデルになっているのですか。
HPへの掲載料をいただいている会社は、紹介した学生が入社した際に50万円、掲載料をいただいていない企業の場合は65万円をいただきます。もちろん、学生は一切お金はかかりません。

―― インターンナビのこれからの事業目標は、どのように考えていますか。
現在の学生の登録数は3000人を超えています。この登録数をどのくらいにするかという明確な目標はありませんが、一つの目安として17年の新卒で内定者を200人出そうと話しています。一期目の目標としては高めですが、この数字がクリアできればビジネスとしては成功かなと思ってます。将来的には3年後の内定者を1000人にしたいと考えています。

―― IPOについても考えていますか。
IPOについては考えていません。経営者側ではありませんでしたが、IPOとストックオプションを経験しました。これはこれでとてもよい経験でしたが、IPOをして幸せだったかというと、そうとばかりは言えません。

事業の展開の中で資金調達が必要であれば、IPOのメリットもありますが、従業員や僕も含めてIPOだけが幸せだとは思っていないんです。

自分の強みは、営業と組織を作ること、それにマネージメントだと思っています。賢いプランナーがいれば、事業を広げていけるでしょう。アイディアはあるけれど、組織や推進力が足りない会社などと組むとうちは強さを発揮できます。実際、そういうオファーは多くきています。今後は社内からそうした事業をおこし、将来はそれらを独立させるなども考えています。

経営ノート | 社長・経営者・起業家の経営課題解決メディア

WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

 

0円(無料)でビジネスマッチングができる!|WizBiz

WizBizセミナー/イベント情報

経営者占い