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2014年12月号より

榎本登志雄 ティースリー社長に聞く 中小企業をサポートする「IT業界のドラえもん」
榎本登志雄 ティースリー社長

ティースリー社長 榎本登志雄

えのもと・としお 1978年埼玉県生まれ。大学卒業後教員を志すが叶わず、ハウスメーカーやIT企業などを経て30歳の時に共同経営でITサポート会社を設立。2012年、分離・独立する形でティースリーを設立、社長に就任。経営のみならずコミュニティづくりにも力を入れている。

費用は月5000円から

―― 榎本さんは、さいたま市を拠点に、中小企業のITサポートを行っているそうですね。
榎本 ええ、大企業なら社内にITを担当する部署があって、IT機器に何かトラブルが起こっても、社内で解決することができます。ところが中小企業の場合、そんな人員を配置する余裕はありません。ですからトラブルに見舞われるとどうしようもない。下手をするとそれで仕事が止まってしまう。そんな時こそ我々の出番です。「ティースリーが、あなたの会社のITとしてサポートしていきます」と。

―― サービスを開始したのは、いつですか。
榎本 この9月でちょうど第2期が終了しました。いま3年目に入ったところです。

―― 中小企業に特化することにした経緯を教えてください。
榎本 僕はもともと教員志望でした。ところが僕が大学を卒業した当時は就職氷河期で、採用1人に対して3000人も応募があるという状況でした。新卒では採用されなかったため、ハウスメーカーで働きながら2年ほど教員を目指したのですが、それでも教師になる夢は叶いませんでした。

さてどうするか、ハウスメーカーも辞めアルバイトをして、いわゆるフリーターとして暮らしながら、将来のことを考えました。その時、思い浮かんだのが、ハウスメーカー時代に訪問した、ある地主さんでした。その地主さんはパソコンを使いたいと思っているのに、使いこなすことができない。それで悩んでいたのです。

こういう人たちの役に立ちたい。そのためにはまず、自分がスキルを身につけるしかありません。そこでIT企業に就職することにしたのです。この時は、本当に一生懸命働きました。おかげで、数年後には理化学研究所にあるスーパーコンピュータを担当するまでになりました。

―― そこまでのスキルを身につけたのなら、それをそのまま伸ばしていこうと考えたりしなかったんですか。
榎本 IT企業で働いていた29歳の時のことです。ケーキを買おうと思ってケーキ屋に入ったら、そこの店長が「Office」をインストールできなくて困っていた。そこで教えてあげたのですが、その時、自分がなぜIT業界に進んだか再認識したのです。中小企業や商店などでは、同じように困っている人がたくさんいる。この人たちを助けるビジネスができないか、と考え、30歳で共同経営の形で会社を立ち上げ、さらに2年前、ITサポートの部分を軸としたティースリーを設立、独立しました。

―― 具体的にどのようなサービスを行っているのですか。
榎本 いちばん基本的なサービスが、「IT部サービス」というものです。その名のとおり、会社のIT部のアウトソーシングです。クライアントの方たちの、ITに関する「困った」を解決します。機器の不具合でも、使い方がわからないなどの相談でも何にでも応じます。

メールや電話で相談に乗ったり、解決策を教えるほか、遠隔操作によるリモートサポートサービスも行っています。またお客様のところへおうかがいする出張サービスも行っています。

いちばんライトなプランでは、月額料金は5000円からとなっています。ですからIT部門にお金をかける余裕がない中小企業でもご利用しやすくなっています。

また、月々の契約をされてない方には、「スポットサービス」もあります。突然のトラブルの時は、電話1本かけていただければ、できるだけ早く駆けつけます。このスポットサービスの利用後、IT部サービスの契約をされた方も多いですよ。

―― どんなことで困っているケースが多いのですか。
榎本 多種多様ですが、よくあるのが、どこに問い合わせていいかわからないケースです。たとえばインターネットがつながらなくなった時、NTTなどの回線か、プロバイダーなのか、あるいは機器に問題があるのかわからない。だから問い合わせもできない。そういう時、我々のところに電話していただければ、どこに問題があるかも含め、解決することができます。

もうひとつよくあるのが、それまでITを担当していた人が退職したケースです。中小企業の場合、IT担当がいたとしても1人のケースが圧倒的ですから、この人がいなくなると、何もわからなくなる。そういう時、我々なら、どこの業者と契約していたのかという基礎的なことから、すべて掘り起こし、以前同様に使えるようにできるわけです。

解約ゼロを続行中

―― ITに詳しくない人を対象に仕事をするわけですから、言葉ひとつとっても通じないことだってあるでしょう。わかってしまえば「なーんだ」というようなトラブルでも、IT音痴には手も足も出ない。
榎本 我々の役割のひとつとして、クライアントのITリテラシーを上げることがあります。

契約当初、何も知らないお客様だと、1日に何度も電話がかかってくることがあります。しかも別の人が、同じような要件でかけてくる。でも、我々がひとつひとつ問題解決をしていくと、それに伴いクライアントのスキルも上がっていきます。次に同じトラブルが起きた時は、自分たちで解決できるようになります。そうなれば我々の負担も減っていく。そのためにも、お客様のリテラシーを上げることが重要です。

―― トラブルはいつ起こるかわかりません。どんな時間にも対応しているんですか。
榎本 残念ながら現在はまだ24時間365日という体制にはなっていません。でも土日でも、できるかぎり対応できるようにはしています。一度、週末にディズニーランドの駐車場に着いたのですが、お客様から電話が入ったため、飛んでいったこともありました。

―― 契約者はどのくらいですか。
榎本 パソコンの台数でいうと、1000台ほどです。サービス開始から2年たちましたが、これまでのところ、一度、契約された方の解約はゼロです。これをできるかぎり続けていきたいと考えています。

―― 今後の目標は?
榎本 創業当時から、5年で1万台という目標を立てています。あと3年ですから、今後ペースを上げていかなければなりません。

そのため、現在は1都3県を対象にサービスを行っていますが、これを関東全域に拡大していこうと考えています。また、リモートサポートサービスだけならば、日本全国でのサービスも可能です。あとはアライアンスを組む形で地域を広げるという構想も持っています。

サービスについても、「さくさくん」という顧客管理システムの提供も始めました。これはクラウドを利用したシステムです。ITに強くない人にとってみれば、「クラウドって何だ」ってなるでしょうが、どなたにも使いやすく、しかもカスタマイズも可能です。

僕は自己紹介する時「IT業界のドラえもんです」と言っています。のび太君がドラえもんに泣きつくように、ITのことでわからないことがあったら、遠慮なく泣きついてください。なんとかします。お客様の相談に対してノーは言わない。これが僕のモットーです。

ティースリー/中小企業をサポートする「IT業界のドラえもん」

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WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

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