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2013年11月号より

代理店ビジネスの応援団がめざす新規開業率20%
佐藤康人 日本代理店マーケティング協会理事長

佐藤康人 日本代理店マーケティング協会理事長

さとう・やすひと 1972年生まれ、東京出身。中央大学商学部を卒業し、建設会社、営業アウトソーシング会社、外資系生命保険を経て2005年4月に独立し、プライスレス設立。当初は営業代行を行っていたが、代理店ビジネスの魅力に気づき、日本で唯一の代理店構築コンサルタントの地位を確立した。昨年1月、一般社団法人日本代理店マーケティング協会を設立、理事長に就任した。

唯一の代理店コンサルタント

―― 日本代理店マーケティング協会という名称は、あまり聞いたことがないのですが。
佐藤 2012年1月にできたばかりの一般社団法人です。代理店マーケティングを普及させることで、すべての事業従事者に収益向上の機会を提供し、社会に貢献しようという目的で設立しました。

―― 設立にいたる経緯を教えてください。
佐藤 それにはまず、私の経歴をお話ししたほうがいいと思います。
私は大学を卒業したあと、建設会社に就職し、総務部門で6年ほど働いたところで転職、営業アウトソーシング会社や外資系生保で営業を学び、05年4月に独立して、プライスレスという会社を立ち上げました。

当初、行っていたのは営業代行です。いろんな会社の名刺を持って、そこの営業部長として働くようになりました。ところがある日、電話があって、POSレジの代理店の開拓を行ってほしいとの依頼があったのです。そこで初めて代理店の仕組みを勉強して、こんな画期的なシステムはないと思ったのです。

いい商品をつくっても、販路がない、営業力がないがためにそれを売ることができない会社がたくさんあります。代理店を活用すれば、小さな会社でもその商品を津々浦々まで届けることができる。それでこのシステムの構築を自分のビジネスにしようと考え、日本で唯一の代理店構築コンサルタントとしての活動を始めました。

―― 代理店ビジネスというのは大昔からあります。それでも日本で唯一、だったのですか。
佐藤 ええ。それまでは代理店を募集する媒体はありました。でも私の場合、代理店募集サイトを運営するだけでなく、企業の代理店制度の構築や、営業ツールの開発、事業説明会、初期導入研修、勉強会など、代理店制度のすべてを支援することができます。おかげさまでこれまで500社以上の代理店募集や代理店制度構築を支援してきました。

―― それだけのニーズがあるということは、代理店システムの構築に苦労しているところが多いということですね。
佐藤 代理店というのは、契約さえすればすぐに営業を委託することができます。そして代理店を使う会社の経営者は、代理店契約すれば、自社商品をどんどん売ってくれると思っています。でもそこに誤解があります。

代理店を活用するには、事業説明会を開き、参加者と面接、勧誘を行い、そして契約を結びます。それぞれの段階で、ノウハウと手間が必要です。ところが、代理店を担当する社員というのは、せいぜい1人か2人ぐらいのもの。しかも、契約すればそれで終わりというわけではなく、教育もきちんとしなければなりません。

代理店をやろうという人・企業は営業力に自信がある。でも、その商品の特性や、売り方を知らないとうまく機能しない。それなのに担当者が少ないために、メーカー側はなかなかそこまで手が回らない。結局、代理店はたくさんできたけれど、売り上げは全然伸びないということになってしまいます。

会員予備軍は無限大

―― どうやったらそれを防ぐことができるのですか。
佐藤 たとえば事業説明会で、とおりいっぺんに商品の説明をするだけでなく、売り方についても説明する。すでに代理店を使っているのであれば、その代理店ではどういうふうにして売っているのか。あるいは直販部隊があるなら、どうやっているかを説明する。もちろん契約を結んだあとの教育も大切です。そういうことに気をつければ、代理店を活用して売り上げを大きく伸ばすことが可能です。

―― プライスレスが軌道に乗ったことはわかりましたが、それがどうして協会設立へとつながるのですか。
佐藤 代理店ビジネスの素晴らしさを、できるだけ多くの人に知ってほしいと思ったからです。繰り返しになりますが、代理店を活用することで、販路がなくても、人脈がなくても、営業力がなくても、販売を伸ばしていくことができます。その一方で、代理店をつくったけれどうまくいかなかったという例もたくさんあるため、二の足を踏んでしまうところもある。その意識を変えていきたい。そのためには啓蒙していくことが必要です。

プライスレスとしても、代理店構築塾というのをつくったことがあります。ただ、こういうのを一企業でやったとしても、自らの営業活動として見られてしまうところがありました。私としては、代理店ビジネスの市場そのものを大きくしたいという思いがあります。すぐれた商品・サービスがあれば、代理店をつくれない業種はありません。そのことをまず知ってほしかった。

そこで、同じ意見を持つ仲間とともに、昨年、日本代理店マーケティング協会を設立したのです。

ここでは、すでに代理店展開を行っている企業や、これから行いたい企業に対して、セミナーやコンサルティングを行っています。さらには代理店として活躍したい企業や個人に対してもサポートしています。

これらはすでにプライスレス時代にやっていたことですが、協会をつくったことで、1社でやっていたときよりも広がるスピードが速まりました。まだ2年に満たないですが、すでに会員は500社近くにのぼっています。でも、まだまだ足りません。すべての業種で代理店ビジネスは可能なのですから、会員予備軍はいくらでもいる。できるだけ多くの力を結集して、影響力を持つようになりたいですね。

―― 会員を色分けした場合、メーカーと代理店の比率はどうなっていますか。
佐藤 いまのところ、ほとんどがメーカーです。でも最近は代理店に応募したい人や、独立を考えている人も増えています。

当協会は一つの目標を掲げています。それは「日本経済発展のために新規開業率を20%に!」というものです。

日本の新規開業率は、最近では5%を下回っています。他の先進国が10%程度であることを考えると非常に低い数字です。その結果、廃業率が開業率を上回る状態が続いていて、日本では企業の数が毎年減っています。日本経済が今後も発展していくには、新規開業企業を増やしていかなくてはなりません。

その点、代理店というのは、独立したい人にとってはいいビジネスだと思います。開業する一つの方法として、フランチャイズチェーンに加盟する方法があります。しかしFCの場合、加盟の条件も厳しく、加盟料も高い場合が多い。これではベンチャーの芽をつぶしかねない。その点、代理店の場合、そこまで条件が厳しくない。とくに営業力に自信がある人にとっては、メーカーの代理店になることで、簡単に独立・開業ができる。

ただし、そこで必要になってくるのが、どのメーカーの代理店になったらいいかということです。最初に言ったように、メーカーの中には教育まで手が回らず、まるで売り上げが伸びないということも少なくありません。これは代理店にとっても悲劇です。

私自身、そういう思いをしたことがあります。独立後、あるメーカーの代理店になり、加盟料70万円を支払ったにもかかわらず何も教えてくれずに苦労した。そんな思いをしなくてすむよう、当協会では、メーカーの見極め方についても教えています。

日本代理店マーケティング協会は走り始めたばかりです。より多くの会員を集め、いい商品・サービスを世の中に広めるお手伝いをしたいと考えています。それによって日本経済が元気になれば、設立した甲斐があったというものです。

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