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2013年1月号より

会社の業績を上げるためにも「経営者は本を出せ」

吉田 浩  天才工場社長

よしだ・ひろし 1960年新潟県生まれ。法政大学文学部卒。在学中から童話を書き始め。82年MOE童話賞受賞。警備会社に勤めながら執筆活動を続け、99年天才工場を設立。自ら200冊以上の本を執筆、プロデュースした本は1500冊にものぼっている。

初の出版プロデューサー

―― まず、社名からお聞きしたいと思います。天才工場とは、すごいネーミングですね。
吉田 バブル時代、リクルートが「天才塾」というのをつくったことがあります。「天才的な人を育てよう」ということだったのですが、バブル後は消滅してしまいました。それを有志で復活させたのが天才工場で、出版塾や企画塾に分かれていて、私は出版塾のリーダーでした。そしてそれをそのまま編集プロダクションとして発展させたのが、いまの天才工場です。

実は今日(取材日の10月31日)は「天才の日」なんですよ。10はテン、31がサイですから。私がこの日を登録しています。また、わが社の資本金は1031万円。もともと1000万円の予定だったのですが、どうせならこれも天才にしようと31万円増やしています。

―― 吉田さんは日本初の出版プロデューサーだそうですね。しかも年間100冊の本をプロデュースしているとか。ただ、いまの世の中、出版プロデューサーを名乗る人は数多くいます。
吉田 私が初めて出版プロデューサーを名乗ったのは20年以上前のことで、当時、私しかいませんでした。もともと童話作家として出版に関わるようになったのですが、いろいろな人から出版に関する相談を受けるようになり、プロデュースすることが自分が書くのと同じくらい楽しくなってきて、プロデューサーを名乗るようになったのです。

天才工場がプロデュースしたベストセラーの数々。本も売れ、会社の業績も向上した。

確かにいまでは出版プロデューサーは増え、おそらく500人くらいはいるでしょう。でもそのほとんどの人が、自分で出した本はせいぜい1、2冊のはずです。その点私は、これまでに200冊の本を書いていますし、その中で『日本村100人の仲間たち』は45万部のベストセラーになりました。これだけの経験がある人はまずいない。私にしてみれば、自分で本を書いたこともない出版プロデューサーは、泳いだことがないのに水泳選手に速く泳ぐことを教えようとしているようなものなんです。




―― 出版不況によって多くの編集プロダクションが危機に瀕しています。でも天才工場は次から次へと出版プロデュースを行っている。その違いはどこにあるんですか。
吉田 3年前までは、当社も同じでした。1999年に有限会社として設立、2007年に株式会社化しましたが、出版社の倒産が続き、こちらも倒産一歩手前までいったことがありました。出版社から印税回収ができない一方で、フリーランスのライターには原稿料などを支払わなければならないのですから火の車です。ただ運のいいことに、『低インシュリンダイエット』と『動物キャラナビ』という2冊の本がそれぞれ100万部を超えるベストセラーになったことで、その危機を乗り越えることができました。もしこれがなかったら、苦しんでいる他の編集プロダクションと同じだったと思います。
でも3年前に経営者向けの「戦略出版コンサル」を始めてから、事業がうまく回るようになりました。

―― 戦略出版コンサルとはどういうものですか。
吉田 経営者に本を出すよう働きかけ、実際に出版できるようプロデュースするもので、コンサルタント料は300万円になります。

―― ずいぶんと高いような気がしますが。
吉田 業界最高額です。でもけっして高くはないですよ。というのも、本を出すことでそれ以上の効果があるからです。300万円かかっても、3000万円以上になって返ってくる。
たとえば『魔法のランプの磨き方』の著者は個人でジェット機を売っている人ですが、この本は2万部売れたうえに、50億円のジェット機が2機売れたそうです。このように、本が売れるのはもちろんですが、本を出すことによって著者のブランド力を高め、会社の信用力を増す。そしてバックエンドというもっとも利益率の高い商品が売れるようになるのです。私たちがプロデュースすることで会社の売り上げを伸ばすことができる。ですから300万円のコンサルタント料を取っても、本を出したいという人たちでスケジュールはいっぱいです。

自費出版との違い

―― ということは、会社の宣伝をするために経営者が自費出版で本を出すということですか。
吉田 まったく違います。自費出版というのは著者が印刷費も負担し、刷り上がった本の大半を自分で買い取ります。私たちがプロデュースする本は、最低でも重版がかかるほど書店で売れますし、出版社も講談社など大手ばかりです。著者が支払うのは、最初の300万円だけであとは何も負担する必要はないですし、売れ行きによって数千万円もの印税が入ってきます。そこが自費出版とは違います。

ですから、自費出版によくある、自伝的な本は一切手がけません。成功物語のような、経営者がつくりたい本もつくらない。コンサルティング話をじっくり聞きながら、その経営者の課題を掘り起こしていく。そしてその解決策を、出版を通じて提示していくわけです。

コンサルティングは拡散と集約です。1回7時間、10時から17時まで話を聞き、それを2回繰り返す。そのうえでテーマを100くらい考え、そこから絞り込んでいく。次にタイトルを100考えてから集約する。こういう作業を繰り返します。もちろん出版社のニーズとのマッチングも必要です。そうやって生まれた本は経営者にとって必ず財産になります。

―― よくこのビジネスモデルにたどりつきましたね。
吉田 それまでは、著者の印税の3割を受け取るようなビジネスモデルでした。でもこれではやっていけない。ところが3年前、日本一高いと言われる経営コンサルタントから「吉田さんのやっているのは高額商品コンサルだよね。自分でやりたいくらいだけれど、出版社にコネクションがないからできない」と言われました。

考えてみれば、私は20年以上にわたって培った、日本一の出版社とのコネクションがある。しかも本作りのプロです。フリーランスのネットワークも持っている。本の売り方も知っている。これを経営者の課題解決に使うことができればすごい価値が生まれることに、このとき気づいたのです。

このコンサルタントの方の紹介で、まず最初に7人の経営者の出版コンサルをやったらうまくいった。そこから、このビジネスが始まりました。

企画を考え、出版社を選定し、ライターに執筆させ、出版までもっていく。ほぼ間違いなく重版がかかるので出版社も喜ぶし、自分のブランディングができた著書も喜ぶ。社業もうまくいく。経営者こそ、本を出すべきです。

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