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経営者インタビュー

2016年5月号より

変革期のツイッター 復活を牽引する日本法人 ツイッタージャパン社長 笹本 裕
ツイッタージャパン社長 笹本 裕

笹本 裕
ツイッタージャパン社長

ささもと・ゆう 1964年タイ・バンコク生まれ。88年獨協大学法学部卒業後、リクルート入社。在職中にニューヨーク大学経営修士修了。99年クリエイティブ・リンクを設立し取締役COOに就任。2000年12月、副社長としてMTVジャパンに入社。01年社長CEOに就任。07年1月マイクロソフト常務執行役員、08年9月同社太平洋地域統括責任者を経て11年5月ドリーム・フォーを設立、クラウドファンディング事業に携わる。14年2月Twitter Japan社長に就任。

アメリカでは業績不振で危機説が流れるツイッター。経営陣も様変わりし、創業者がCEOに返り咲くことになった。そんななか、注目されているのが日本市場。モバイル分野では世界一の賑わいだけに期待は大きい。Twitter Japanの笹本裕社長にツイッターの現在を聞いた。

日本で人気の“つぶやき”

―― アメリカ本国では共同創業者の1人であるジャック・ドーシー氏がCEOに復帰しました。ツイッター社そのものが大きな変化を迎えています。
ジャックが正式にCEOに戻り、これまで収益事業を担当していたアダム・ベインがCOOに、ネットスケープからグーグルの黎明期に収益事業を統率していたオミッド・コーデスタニがエグゼクティブチェアマンという形で入ってきました。この3人体制で新しいツイッターとしてのイノベーション、たとえば収益面での成長を加速させるなど、これから見えてくる変化も多いと思います。我々としても期待しています。

―― 本国のほうでは業績不振がクローズアップされていますが、日本法人はどのような立ち位置になっているのでしょう。
すごく重要な国として位置付けてもらっていると思います。アメリカの外にできた最初のオフィスが日本ですし、デジタル文化としても日本は先進的です。特にモバイルの利用環境という意味では、断然、日本が一番いい環境で使われています。様々な指標を見ても、日本がもっともツイッターを使い倒しているマーケットだと言えます。

例えば、通勤電車が遅れているという時に、その遅延情報をツイッターで知る人は非常に多い。ツイッターで検索して何が起きているのかを調べるわけです。天気予報と同じように使う方もいます。ツイッター上の情報が日々の生活に密着しているがゆえに、検索でさえも多く利用されている。内容も量も、アメリカに引けをとらないくらい使っていただいています。

―― なぜ日本人に受け入れられたのでしょう。
日本で最初にご紹介いただいたのは「つぶやき」という個人の会話だったと思います。我々は「ツイート」という呼び方をしていますが、これが日本人に向いていたのは、モバイルで使われることを主眼に置いて作られたサービスだったことです。日本ほどモバイル文化が早くに浸透していた国はありません。都市部では電車通勤や公共交通機関を使うのが日常になっていますから、欧米のようにクルマが主体の国とはモバイルを扱う日常が異なります。

また、自分の思っていることを匿名で語る、趣味を人に話して新しい繋がりを築くというスタイルが日本の文化に合っている。よく大晦日から元旦に「あけおめ!」とツイートされますが、五輪やW杯サッカーの時のように、群衆になって一つの興味関心に対して自分の思いを表現する場がなかったものが、ツイッターを通してできるようになったのは大きかったと思います。

数字は公表していませんが、いま新たに伸びている年齢層は30代、40代です。もっとも利用しているのは30歳前後。初期ツイッター世代が年齢を重ねてきたということもありますが、テレビを観ながらツイートされることが増えたことも挙げられます。テレビ番組のなかでツイッターを使ってコメントを投稿するということが増えてきましたので、いままでツイッターに触れてなかった世代、あるいは休止していた方々が、再び使い始めることが多くなっています。

―― 確かにニュース系の情報番組では、画面の下部にテロップでツイートが流れていますね。ちなみにこれはツイッター社と契約をしたりするのでしょうか。
特定のハッシュタグ宛に来たものを見て、手作業でテロップに流している番組もあります。すべてのツイートが自動的に流れているわけではないようです。我々はそこでビジネスをしているわけではないので、使っていただいているという感覚です。これは日本の特徴なのかもしれませんが、既存のサービスを使って、我々が想定していなかったような使い方を始めることが多いですね。

―― ツイッター自体の収益はどのようにあげているのか。日本への期待も収益モデルの変革があるように思いますが。
主な収益は広告になります。企業さんにとっては広告ですが、つぶやきでもあるんです。自分の商品の特徴を、一般の方と同じような表現を使ったり、タイミングだったり、人の興味関心に直接当てられるというところが、新しいマーケティングのやり方としてご提供できていると思います。

あとはデータの活用を有料でお使いいただくビジネスもあります。国内ではNTTデータさんやドコモさん、世界的にはIBMさんと提携して、個人の興味関心、またはどのようなアカウントがフォローされているのか、ビッグデータと呼ばれるものを企業の商品開発やマーケティングなど、いろんなビジネスシーンで使っていただける。従来ならアンケートをとって解析したものですが、リアルタイムにこれだけのボリュームの興味関心を分析できるものはツイッター以外に存在しない。ただ、日本ではデータに値札をつけることが浸透しているとはいい難く、これから期待しているビジネスだと言えます。

新しい使い方の工夫

―― 現在では140文字のツイートだけでなく、動画もアップロードできるなど、サービス自体も進化していますね。
最近の事例だと、ペリスコープというライブ放送ができるアプリを開発した企業を買収し、昨年からスタートしています。このアプリは、単独のアプリとして自分の草野球の試合や、釣りをしているところを中継するものです。これまではこのアプリをダウンロードした方しか観ることができなかったのですが、ペリスコープからツイッターに配信することで、ツイッター上からも観ることができるようになりました。

例えばこれを企業さんが活用する場合、新商品の発表会などをツイッター上で生放送できます。広告的には、その記者発表に適したユーザーにターゲッティングして配信することもできますので、これからは文字だけでなく、映像の分野でもイノベーションが生まれてきます。

―― アメリカでは140文字から1万字にまで拡大する可能性が報道されていました。

最終的にそうなるかは、まだこれからの議論です。実験は重ねていますが、仮にそうなったとしても、つぶやきのスタイルを好む人もいますし、おそらく大きな変革にはならないのではないでしょうか。ただ、個人として発信するやり方は多種多様ですから、それに対応できるように考えることは重要なことです。

ツイッター社は驚くくらいさまざまな実験を、大きなものから小さなものまで、ものすごいスピードでする会社です。私も「こんなことをやっていたのか」と後から知ってびっくりすることがあります。ユーザーの声に耳を傾け、おもしろく感じてくれるかを考えている。最終的にはいいものが出てくると信じています。

4択まで選択できる機能をつけたところ、欧州では料理の鉄人のようなテレビ番組で、どちらのシェフがよかったか視聴者投票に使われていました。今年はアメリカの大統領選がありますから、誰がふさわしいか、まさにツイッター上で投票が行われたりしています。日本では、企業さんが新商品を出す前にプロモーションとして好みを投票させ、タイムラインを通して友達に広げていくという使われ方もされています。単なる新商品の発表だけでなく、新たな使い方を発明していくところに創意工夫が好きな国民性を感じますね。

―― 経営者にもソフトバンクグループの孫正義社長や楽天の三木谷浩史社長のようにツイッターで情報発信する方は増えています。
経営者が社会に対して自社のことを伝えていくのは大きな責任のひとつだと思います。さまざまな手法はありますが、SNSは有効な手段です。実際、欧米の経営者は理解したうえでメッセージを発信し、企業価値を高めようとしています。

ツイッターもまだまだいろんなアイデアを用意していますので、もっと多くの方に使っていただけるようイノベーションを加速していきたい。日本法人を任せてもらっている立場としては、日本からそのイノベーションを発信していき、日本の利用者、企業のみなさまに、使い倒していただきたいですね。

(聞き手=本誌編集長・児玉智浩)

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