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経営者インタビュー

2015年7月号より

1台1万5000円、ロボットが家族になる時代
オムニボットシリーズを紹介するタカラトミーの木村貴幸氏。

タカラトミーは昨年、家庭向けロボットシリーズ「オムニボット」の発売を開始、ロボット事業に参入した。オムニボットとは「omnipotent=全能」とロボットを組み合わせたものだ。

最初に発売されたのが、スマホでも操縦できる二輪ロボの「ハロー! ミップ」。続いて犬型の「ハロー! ズーマー」、前頁で紹介した「Robi」を小型化、1000の言葉を覚えていて会話が楽しめる「ロビジュニア」、そして恐竜型の「ハロー! ダイノ」の4商品が投入されている。価格はいずれも1万5000円。

「タカラトミーはおもちゃ会社です。ですから当社のロボットで生活が便利になるわけではありません。おもちゃ会社のロボットですから、そんなに高くすることもできませんでした」(木村貴幸・タカラトミー新規事業部ニュートイ企画部部長)

犬型ロボットだったソニーの「アイボ」は、1999年に発売した1号機は25万円もした。ハロー! ズーマーは、車輪で動くところが四足歩行のアイボとは違うが、それ以外の機能はそれほど変わらない。それが、わずか1万5000円で買える時代になったのだ。

実はタカラトミーは84年にもオムニボットを発売したことがある。テープレコーダーとアラームのコンビネーションによるプログラミング機能を持つもので、価格は3万9600円だった。また2007年には世界最小の二足歩行ロボットも発表している。しかし当時はおもちゃとしては高価すぎた。そこでロボット事業はしばらく休止したものの、ソフトバンクの「ペッパー」の発表や音声認識技術の進化など、環境が整ったとみて、再参入を決意したという。

事業としての滑り出しは順調で、2月末に発売したロビジュニアなどは、1週間で完売するほど人気を集めている。

「子供から100歳以上まで、幅広い世代の方がオムニボットをお求めになっています。理由は癒されたい、子育てが終わった、などさまざまですが、ロボットが家にあることで、家族の会話が増えたという声もいただいています」(木村氏)

タカラトミーでは、今後もオムニボットのラインアップを増やしていく方針だ。家庭にロボットの時代はもうそこにまで迫っている。

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WizBiz代表・新谷哲の著書「社長の孤独力」(日本経済新聞出版社)

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